腰椎圧迫骨折で約640万円を獲得した事例

傷害 腰椎圧迫骨折(11級7号)
  結果
通院慰謝料 50万円
逸失利益 140万円
後遺障害慰謝料 420万円

総額

640万円

被害者:60代男性(アルバイト)

 

事故状況    

 被害者は車を運転してカーブに差し掛かったところ、曲がり切れずに対向車線から飛び出してきた車と正面衝突しました。車は大破して廃車になりました。さらに被害者は事故から1週間後のMRI撮影で圧迫骨折があることが判明し、痛みのため仕事も休まなければならなくなりました。被害者は、今後の休業補償などについて知りたいと考え、当事務所に相談されました。

 被害者は清掃の仕事をしていましたが、痛みのため事故後6か月間は仕事に復帰できず、その間週1回の通院治療を続けました。その間の休業損害は加害者側の保険会社から全額支払われました。事故後6か月で症状固定となり、「脊柱に変形を残すもの」として後遺障害11級7号の認定を受けました。

 その後保険会社と交渉したところ、やはり今回も逸失利益が問題となりました。保険会社は当初、12級の場合の労働能力喪失率(14%)で逸失利益を計算してきました。そこで被害者の仕事は肉体労働であり、事故後6か月たって仕事に復帰した後も様々な制約が生じていることを保険会社に詳しく説明して交渉したところ、赤本の基準どおり、11級の場合の労働能力喪失率(20%)で、労働可能年数9年間として計算することで話がまとまり、その他の損害についてもほぼ赤本基準にて示談が成立しました。
(被害者の過失割合0%)

ポイント

 11級7号の障害については、単なる脊柱の変形、つまり骨の形が変わっただけであって、それだけでは労働には影響がないとされることがあり、逸失利益が認められにくいのが現状です。しかし、痛みなどの神経症状を伴う場合には逸失利益が認められる場合があります。特に肉体労働の方など、重いものを持ったり姿勢を頻繁に変えたりする仕事の方の場合には逸失利益が認められやすいです。

 その場合でも、通常は満額にはならず、労働能力喪失率が12級以下で計算されたり、労働能力喪失期間が短く計算されたりすることが多いです。

  しかし本件は、労働能力喪失率及び労働能力喪失期間が、完全に通常の11級の後遺障害についての裁判基準どおり認められた珍しい事例なので、紹介させていただきます。

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