真の専門性とは
佐藤です。
私が尊敬していた先輩弁護士S先生が亡くなられて2週間が経ちました。S先生は死の直前まで、第一線でバリバリ活躍されていました。そのため私は、理屈では亡くなられたことは理解できても、気持ちの面ではなかなか現実を受け入れることができませんでした。最近やっと気持ちの面でも整理が着き始めたので、今回はこのS先生のことを話したいと思います。
先生は、民事事件、刑事事件ともに、あらゆる分野に精通しておられました。その中でも、特に刑事事件にについては、難しい事件に積極的に取り組まれておられました。
私はよく、将来について聞かれると、「一芸に秀でた何でも屋でありたい」と答えるのですが、実はこれは私のオリジナルではなく、S先生の受け売りでした。私はS先生の言葉に感銘を受け、自分も何か誇れる一芸(専門性)がほしいと思い、交通事故事件に取り組んできたのです。
そんなS先生ですが、岡山弁護士会発行の会員紹介誌「弁護士マップ」の自己紹介欄では「この分野が専門だ、と誇れるものは特にありません。」と述べておられました。
「S先生、ご冗談でしょう。先生には、企業法務も、刑事事件もあるじゃないですか。誇ったらいいじゃないですか。」と思わずつっこみたくなるのですが、S先生はいつもこのように謙虚に構えておられました。
しかし、今思えば、S先生の専門性は、無理にアピールする必要などなく、黙っていても自然と滲み出すほどの高いレベルに達していたのだと思います。先生の専門性は今までのお仕事ぶりを通じてすでに多くの人々に知られており、S先生を必要とする人たちが、自然と先生のもとに集っていたのではないかと思います。これこそが真の専門性と言えるでしょう。
私も、S先生のような真の専門性を身に着けられるよう、これからも謙虚に業務と勉学に取り組んで参ります。
(平成29年7月23日)
ブログの最新記事
- NHK岡山放送局「もぎたて」の取材に応じました
- 自動車保険の選び方
- 縁ある人たちの心を穏やかに
- 山陽新聞レディア9月26日号に掲載されました
- あおり運転をなくしたい
- 日本交通法学会定期総会に出席しました
- 山陽新聞レディア5月23日号に掲載されました
- こうなる!事件番号
- 山陽新聞レディア4月11日号に掲載されました
- 「週刊VISION岡山」で岡山プロネットが紹介されました
- 工房かたつむり感謝の集いに行ってきました
- どうなる?事件番号
- 時代は変わり続ける
- 根拠のない自信と付き合う
- 10周年を迎えました
- 自然災害債務整理ガイドライン
- 私たちにできること(災害相談の無料化)
- 良い予想外は平常心から
- 始まりの季節に
- 気づけば春
- 知っておくべき仮想通貨
- 今年もお世話になりました
- 保険代理店向け勉強会を実施しました
- やはり怒ったら負け
- 突然のドライブレコーダー人気
- 見方を変える
- 岡山弁護士会のアディーレ問題無料電話相談
- 自転車保険の義務化
- ドライブレコーダーのすすめ
- 写真はありませんが
- 労災事故が増えている?
- 残暑お見舞い申し上げます
- お盆休みのお知らせ
- 「事業承継完全攻略セミナー」の講師をしました
- 怒ったら負け
- 事務所名の由来
- 縁の下の力持ち
- 岡山弁護士会県民集会に参加しました
- 依頼者に寄り添うとは?
- 開かれた事務所とは?
- 桜の名所
- 多角的に見るということ
- 会社と従業員のための労災対策を講演しました
- 二輪車の自動車保険加入率
- 弁護士会副会長に選任されました
- 民法改正と交通事故
- 社労士会との合同勉強会に参加しました
- 「労災事故完全攻略セミナー」の講師をしました
- 保険代理店様向け勉強会(第3回)を行いました
- 雪雲
- 今年もどうぞよろしく
- 明けましておめでとうございます
- 年末相談のお知らせ
- 年末年始休業のお知らせ
- 高次脳機能障害に関する講演会に参加しました
- あせらず頑張りすぎず
- バスの中では着席を
- あるものを生かすということ
- 松葉杖
- 寄り道
- 高齢者による交通事故への対策
- 保険代理店様向け勉強会(第2回)を行いました
- 脳脊髄液減少症に関する講演会に参加しました
- ブログ始めました