多角的に見るということ
佐藤です。
弁護士は1つのことがらをいろんな方向から見ることができなければいけません。
つまり、物事を表からも裏からも、あるいは横からも、あらゆる視点から多角的に見ることができなければならないのです。
このように言うと、「弁護士は依頼者のために全力を尽くすのだから、あくまで依頼者の目線で物事を見るべきであって、多角的に物事を見る必要はないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、依頼者のために全力を尽くすことと、物事を多角的に見ることは矛盾しません。
むしろ、依頼者のために、物事を多角的に見る必要があります。
たとえば、一つの視点からだけから物事を見ると、依頼者にとって不利な事柄、つまりリスクを見落としてしまう恐れがあります。依頼者は「こうしたい」と思っていても、それは本当に依頼者のためになるのか、短期的にはどうか、長期的にはどうか、相手にとって有利になってしまわないか、何か落とし穴はないか、あらゆる方向から見て判断しなければなりません。
もっとも、あまりに多くの視点から物事を見ると、あらゆるリスクが目についてしまい、恐ろしくて前に進めなくなってしまいます。
多角的に見すぎて身動きが取れなくなってしまうわけです。
ですから、多角的に見るとしても、程度の問題があるのです。
バランスよく多角的に見ることができる弁護士が、よい弁護士と言えるでしょう。
私はまだまだその域には達することができていませんが、、、
(平成29年3月30日)
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