弁護士に依頼した場合の費用について
掲載記事(内容)
Column 弁護士に依頼した場合の費用について
早いもので、私がこのコーナーに記事を書くのも4年目となります。
最初の記事は、弁護士に相談するにはどうすればよいかというQ&Aでした。
今回は初心に立ち返り、相談後、弁護士に事件処理を依頼した場合にどのような費用がかかるかをお話しします。
着手金と報酬、その他実費などが必要で、以前は弁護士会による統一的な基準で決定
弁護士費用の主なものは、「着手金」と「報酬」です。
「着手金」とは、弁護士に依頼するときに支払うお金です。
このお金は、途中で依頼を取りやめたり、成果が出なくても返金されません。
「報酬」とはいわゆる成功報酬のことで、事件が終了して成果が出たときにだけ支払うものです。
このほか、交通費や通信費、裁判所に納める収入印紙代などの「実費」、遠方の裁判所に出張する場合の「日当」などがあります。
着手金や報酬の上限については、以前は弁護士会が決めた統一的な基準がありました。
普通の裁判の場合、金額は「経済的利益」によって決められ、岡山弁護士会の基準では、例えば、経済的利益が300万円を超えて3000万円以下であれば、着手金は経済的利益の5%+9万円、報酬は経済的利益の10%+6万円(いずれも消費税別)でした。
現在は過払金請求などでは着手金0円など各事務所で独自の基準を定める
しかし、この基準は2004年に廃止され、現在では各事務所が独自の基準を定めています。
それでも弁護士会の基準をほぼそのまま使っている事務所が多いように思いますが、例えば過払金返還請求や交通事故の損害賠償請求の場合には、着手金0円とするなど、独自の基準を使う事務所も増えています。
最近では弁護士費用の基準をホームページなどで公開している事務所もあるので、比較してみるとよいでしょう。
委任契約書を読み、納得のうえで依頼を
弁護士に依頼するときには必ず委任契約書が作られますが、その中に弁護士費用の基準(経済的利益の決め方や報酬が何%かなど)や注意事項が書かれます。まずは委任契約書をよく読み、分からないことは弁護士に質問し、納得してから依頼しましょう。
(平成26年1月23日掲載)
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