賠償金額決定の3つの基準
ご存知でしょうか。
賠償金の金額を決める基準は1つではありません。
保険会社は最も低い基準で示談金の提案をしているケースが多いのです。
このことは、最近は広く知られるようになってきていますが、まだ知らない方も少なくないようです。
損害賠償金額の決定には次の3つの算定基準があります。
1.自賠責保険の基準
2.任意保険の基準
3.裁判の基準
適正な賠償金を受けるためにも、この3つの基準はしっかり理解しておきましょう。
以下では各基準についてそれぞれご説明いたします。
自賠責保険の基準
自賠責保険は、車を所有する際に全ての方が加入する義務がある保険です。自賠責保険が適用されるのは人身事故のみです。
自賠責保険は、あくまで被害者のための「最低限度」の補償を目的として作られた保険ですので、その基準は低額です。
そのため自賠責保険の基準を使って賠償額を計算すると3つの基準の中で最も低額になります(過失割合を考慮しない場合)。
任意保険の基準
任意保険は、自賠責保険とは異なり、加入する義務はない保険です。ただし、実際には約8割以上の人が加入しています。
自賠責保険とは違って物損事故にも適用することが可能です。
任意保険の基準は一般的に自賠責保険よりも高いですが、裁判の基準よりは低いです。
裁判の基準
裁判の基準とは、過去の判例を踏まえた基準です。
「赤い本」(日弁連交通事故相談センター東京支部発行)や「青本」(日弁連交通事故相談センター発行)が参考になります。
裁判の基準で賠償金を計算した場合、多くの場合は自賠責保険の基準や任意保険の基準を元に計算した金額よりも高額になります。
「問題が長引くのは嫌だから早く終わらせたい」「専門知識のある保険会社が言うことだから正しいのではないか」というお考えの方もおられるかもしれませんが、すぐに示談には応じず、まずは弁護士に相談して、適正な賠償金額を知ることが重要です。
示談するかどうかは、弁護士に相談して適正な賠償金額を知ってから決めても決して遅くはありません。相手の保険会社の担当者に、「考える時間がほしいから少し待ってほしい。」と言えば待ってもらえます。
まずは専門家である弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
当事務所では、交通事故のご相談は2回まで無料でお受けしております。まずはお気軽にご相談ください。