左足関節の可動域制限で約870万円を獲得した事例

後遺障害 左脛腓骨開放性骨折後の腓骨神経麻痺による左足関節の可動域制限(10級11号)
通院慰謝料 110万円
後遺障害慰謝料 380万円
逸失利益 240万円
総額 約870万円

※自賠責保険金を含みます。

被害者 80代女性(主婦)

事故状況

  被害者は自転車で道路を横断中、車に跳ねられ、右足の脛骨腓骨開放骨折等で病院に救急搬送されました。被害者は入院直後に、加害者側の保険会社から、健康保険を使うよう勧められたため疑問に思い、ご家族が当事務所に相談に来られました。

  その後弁護士が病院で被害者ご本人に面会して相談、依頼を受けました。

  被害者にも過失が認められるケースでしたので、被害者には、健康保険を使用した方が治療費が抑えられて被害者にも有利になることを説明し、健康保険を使っていただくことになりました。

  被害者は事故から2か月半入院し、退院後約1か月間は頻繁に通院しましたが、その後は月1回程度の通院を続けて、退院後1年で症状固定となりました。後遺障害は関節の可動域制限により10級11号が認定されました。

  この結果をもとに加害者側の弁護士と交渉したところ、損害額自体はほぼ裁判基準で認めてもらえましたが、広い道路を横断していた被害者の過失割合が争点になりました。最終的に、被害者の過失30%ということで示談が成立しました。

ポイント

  本件では、明らかに被害者にも過失が認められるので、健康保険を利用して治療費を抑えることは被害者のためにもなることであり、この点では加害者側の保険会社の説明は間違っていませんでした。

  しかし、分からないことをそのままにせず、すぐに弁護士に相談して確認しようとされた被害者の行動は正しいと思います。相談することで不安を解消することができます。この被害者のように、怪我が重くてご自分で相談に来られない場合は、まずご家族の方などに相談に来ていただいて事情を説明いただければ、必要に応じて弁護士が病院などに出向かせていただきます。

  症状固定の時期も遅くなりすぎず、結果的に適切な後遺障害の等級の認定を受けることができました。

  最後に被害者の過失割合が問題になりましたが、もしも裁判になると被害者に不利な過失割合が認定されるリスクがあったため、話し合いによる解決を目指しました。

(被害者の過失割合 30%)

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